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菅政権、直ちに退陣せよ!
1.中国船長が釈放された。批判の声の嵐である。検察に外交上の配慮などする権限がどこにあるのか。これまでも、中国人被疑者を起訴するかどうかを外交上の配慮をしながら決めていたのか。検察は、ただ日本の法律に従って、粛々と判断するのが仕事ではないのか。だたでさえ、先日のFD改ざん事件で、検察は信頼を失っているのに、今回の判断はさらに信頼を失墜させるものである。

2.菅総理は「政治介入はなかった」と言明した。仮にそれが真実だとしたら、これも大問題である。検察が外交判断することを黙認し、釈放することを認めたのである。むしろ、この時こそ「政治介入」すべきではなかったか。「政治介入」して、釈放を止めさせるべきではなかったのか。政治は何も判断しなかった、無能です、と話しているのと同じではないか。それなら、即刻退陣すべきである。

3.他方、仮に「釈放すべき」との“政治介入”を行なった上で、検察の責任にしたとすれば、さらに性質(たち)が悪い。政治の判断・責任を官僚になすりつけているのである。直ちに菅内閣は退陣すべきである。

いずれにしても、政治が日本の国益を守る責任と正面から向き合っていないのである。直ちに退陣すべきだ。
 
4.しかも、釈放するに際して、中国側と何らかの折衝を行なったふしもない。釈放した後も、中国側から「謝罪と損害補償」を求められたのである。一体、菅内閣は何をやっているのか。中国側は、「強く迫れば迫るほど民主党政権は譲歩する」と確信しているに違いない。昨年の「天皇謁見」に際して、その印象を持ち、今回さらに確信を深めたに違いない。ここぞとばかりに「尖閣諸島は中国の領土」と領土問題に仕立ててくるであろう。先日も、(訂正したものの)蓮紡大臣が「これは領土問題だから」と失言した。尖閣諸島は日本固有の領土であり、日中間に「領土問題は存在しない」のである。民主党の勉強不足、いや、日本の政治を担う上での基礎知識もない大臣の姿を見て、中国側は「これはイケるぞ」とほくそえんだに違いない。

5.以前にも述べたが、尖閣諸島は、アメリカ占領下にもあり、その後、アメリカから日本に返還された。そして、1968年に国連がこの地域に石油の埋蔵の可能性を指摘したことから、それまで何らの主張を行ってこなかった中国が独自の主張を行うようになったのである。このことを日本政府は、国際社会に対してしっかり説明しなければならない。

6.また、中国政府は、日本への旅行者に自粛を求め、レアアースの輸出を停止するなど、日本に対して敵対的な行動に出ている。日本経済にとってマイナスになると考えての行動であろうが、しかし、中国経済にとっても、致命的なマイナスになる可能性がある。
 つまり、ただでさえ、このところ賃金値上げの動きが顕著で、それを求めるストが頻発し、中国に工場を持つ企業や、投資を考えている企業がリスクを感じ始めたところに、今回の騒ぎである。中国から工場を撤退したり、中国への投資を考え直す企業が増えるに違いない。生産のみならず、環境・エネルギーの技術も含めて、中国への移転が進まなくなる可能性が高い。

7.レアアースについては、7月の段階で既に、中国は対外輸出を3分の1にすると宣言しており、日本企業は、既に新たな調達先の手当てやリサイクルなどに奔走している。仮に中国からの供給がゼロになるとしても、即座に致命的な支障が生じることはない。中長期的には、埋蔵量の多い米国、オーストラリア、カナダなどからの供給も期待できるし、カザフスタンやベトナムとの協力も進めているので、慌てる事はない。
 しかし、日本に対してのみ禁輸するのは、明らかにWTO違反であり、徹底的に争うべきである。

8.さらに、仮に日本へのレアアース輸出を停止した場合、結果として、中国経済にもマイナスになることを言うべきである。例えば、レアアースを研磨剤として活用し、HDD(ハードディスクドライブ)のガラス基板を製造している日本企業が、中国のパソコン工場にこうした部品を提供できなくなるのである。つまり、中国自身が国内のパソコン工場の稼動に支障を生じることになる、“天に唾(つば)する”結果になるのである。
(もちろん、他方で日本、中国、そして他の東南アジアの国々は、このくらい密接なサプライチューン(部品生産・供給体制)を築いていることも忘れてはならない。)

9.いずれにしても、菅政権の失態は言い逃れできない。日本の主権・領土を任せるわけにはいかない。即刻の退陣を求めたい。拘束されたフジタの4人の社員の安全確保も急がれるし、中国の理不尽な要求に対し、明確に拒絶し、厳格な態度で臨む新政府・新体制が必要である。今こそ、自民党の出番である。