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「国際連帯税」について議論。地元の漁協が冬柴大臣に陳情。
1.6月2日(月)夕方、後援会旅行の石川県から一人別れ、小松空港より羽田へ。16時からの「地球温暖化対策推進本部」に出席。
今日は「国際連帯税」について議論を行う。上村雄彦・千葉大学大学院准教授よりいくつか提案・事例の提示がなされる。

①「航空券連帯税」

これは、2006年に人類史上初の「国際連帯税」として実現した制度である。現在28カ国が参加している。即ち、飛行機に乗るような比較的裕福な人から、ビジネスクラス40ユーロ(約6400円)、エコノミー4ユーロ(約640円)を徴税し、エイズ、マラリア、結核といった感染症に苦しんでいる貧しい人たちの治療のための資金とするのである。

②「通貨取引開発税」

世界の実体経済の規模は36兆ドル(約3600兆円)であるのに対し、金融資本は、130兆ドル(約1京300兆円)と実体経済の3.6倍である。つまり、金融資本は「短期的利潤」を求め、スキを見せた国の国債や株式に「売りを浴びせる」ことにより、利潤をあげるのである。そこで、仮に世界の外国為替市場770兆ドル(約7京700兆円)に0.005%の税を課せば、税収は341億ドル(3兆4100億円)、もし円取引だけに課したとしても55.9億ドル(約5600億円:ちなみに、日本のODAは7800億円)となり、これを温暖化対策や、2015年までに世界の貧困を半減する、世界中の子供が初等教育を修了できるようにする、といった「国連ミレニアム開発目標」の達成のために使うという制度である。

③「地球炭素税」

これは、「二酸化炭素の放出量に見合う炭素税をかけるとともに、大気中への二酸化炭素の排出量の減少に応じて補助金を出す」という提案である。しかも、税率をその国の一人当たりの国民所得に比例させるのである。例えば、二酸化炭素排出1トン当たり、日本では390ドル、アメリカでは436ドル、インドネシアでは12.8ドルとなる。「地球大気の安定化に役立つだけでなく、先進国と途上国の間の不公平を緩和する」という点で効果的との評価がなされている。

以上、いずれにしても、国際的に協調した制度設計とし、我が国の国際競争力がそがれることがないなら、大歓迎であるし、一方、これらの制度に加わらない「抜け駆け」を認めてしまうような制度なら、我が国は参加を見合わせることとなる。一層の知恵を絞ることが必要である。

2.9時20分に国交委員会理事会、9時半国交委員会。「領海等における外国船舶の航行に関する法律案」を審議し、全会一致で可決。

11時から、超党派の「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」役員会。本日は、民主党の前原誠司前代表から、これまでの「緊急事態対応基本法」を巡る三党間の折衝の経緯について説明があり、その上で、日本版NSC(国家安全保障会議)、日本版FEMA(連邦緊急事態管理庁)の設置の必要性等について議論を行う。確かに、先日の秋田県の鳥インフルエンザのケースでも、生きている鳥なら農林水産省の担当、野鳥なら環境省の担当、そして死んだ後は厚生労働省などと、所管(担当)が分かれており、そのために初動が遅れてしまっている面は否定できない。「縦割りの弊害」の解消のための体制整備こそが喫緊の課題である。

3.今日は、地元から、小松司・兵庫県漁連会長、田沼政男・林崎漁協組合長、吉田證平・淡路町漁協組合長らが上京している。先日の決起集会(5月18日活動報告参照)の決議を冬柴鐵三国土交通大臣に要請を行うためである(写真)。

要望の内容は、①早期の油流出の防止、と②今後も同じような事故が起こり得ることから、新たな基金の設置、の2点である。特に、まだ海底の沈没船に眠っている(残されている)油を抜き取るなり、固めるなり、何らかの措置を取らないと、また同じような被害が生じる。夏ごろからノリ養殖の準備も始まる。漁業者の皆さんが安心して活動できるよう、何としても早急な対応が必要である。

4.今夜は、新任の権・在京韓国大使を歓迎しての食事会である。韓国独特の「バクダン酒」(ウイスキーをビールで割って飲む)で一気飲みすることもあるかもしれない、と覚悟しつつ、反面、内心楽しみにしながら、会場に向かう。