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フリーターは全国に何人いる?<国会レポート(19)>
1.15歳から34歳の人で定職についていない(正社員でない)労働者は、全国で400万人いるとされている。

2.定職につかない理由について、高校卒業のフリーターにアンケートをとってみると、

Ⅰ.モラトリアム型 (自分のやりたいことがわからない、自分に向いている職業がわからない。)

Ⅱ.夢追い型(大きな夢を追いかけているために、今は我慢している。)

Ⅲ.やむを得ず型(定職に就きたいが就職先がない)の大きく三パターンに分かれ、ほぼ1/3ずつだそうである。(ややⅡの夢追い型が多いように感じるが、これは、アンケートに答えるに当たって少しカッコをつけているのではないかと思われる。)

3.このフリーターが増大していることは、我が国の経済、社会にとってどのような意味を持つのであろうか?確かに、長引く不況の中で、スーパーをはじめ企業がリストラの一貫で正社員を減らし、社会保障負担を行う必要がないパートやバイトを増やしていることは事実であり、その意味では、経済にとってプラスの評価もあり得る。しかし、①自分では社会保障の負担(健康保険、年金等)を行っていない人が多いこと、②収入が少ないために、結婚が遅れ少子化の原因となっていること、③本来、何らかの分野で技術やノウハウを身につけ、その人なりの能力を発揮し、社会に一定の貢献を行うべきはずであること、などから、国全体としてやはり国力や国益を喪失しているといっても過言ではないと思う。

4.では、どうすればいいのか?
先ほどの3類型に沿って考えると、Ⅱ.夢追い型は、その人なりに夢を持って頑張っているのだから、その頑張りに期待すればいい(対策不要)。Ⅲ.やむを得ず型については、これまでの雇用対策をさらに拡充することが必要である。就業に向けたプログラムなど、現在進めている「若者自立・チャレンジプラン」を強力に推進することが大事である。Ⅰ.モラトリア型、これが一番問題であるが、日本の学校(大学も含めて)が社会との関わりが少なすぎることが最大の問題である。大学生のインターンシップのみならず、中学時代の体験就業(兵庫県の「トライやるウィーク」は大変参考になる。)小学校で地域の社会人が自分の経験を語るなど、もっと社会の仕組みなどを身近に体験できる仕組みが大事である。小さい頃から問題意識を持つことも含めて教育も大事なポイントである。

5.いずれにしても、若者の雇用問題は、都市部を中心とした大きな問題であり、党内の若手数人で議論を始めたところである。有識者・専門家の意見も聞きながら、適切な対策を考えたい。


衆議院議員 西村やすとし