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新しい医療を一日も早く / TPP交渉大詰めへ
1.(1)内閣府副大臣として、経済財政政策、成長戦略、TPP交渉とともに、健康・医療戦略も担当しております。7月21日に開催された第9回健康・医療戦略推進本部において、今後の取組方針を取りまとめた「健康・医療戦略の実行状況と今後の取組方針2015」を決定いたしました。その主な内容は以下のとおりです。

(2)本年4月には、医療分野の研究開発を総合的に推進する司令塔機能を担う「日本医療研究開発機構」(AMED)を創設しました。これまで厚生労働省、経済産業省、文部科学省といった各省がそれぞれバラバラに支援していたものを改め、縦割りを超えて戦略的・体系的な支援が可能となり、研究開発を加速し、必要とする患者さんに一日でも早く適切な治療を届けることを実現してまいります。

(3)この日本医療研究開発機構が中心となって、医療分野の様々な研究を一層推進していきます。具体的には、①小児がん、難治性がん、希少がん等について、未承認薬、適応外薬を含む治療薬の実用化に向けた治験を進めていきます。②認知症についての日本の取組は世界的に評価されていますが、今後、さらに、早期診断や予防及び治療法の開発を進めます。③また、ALSなどの難病について、新薬の承認・実用化を加速します。

(4)また、新しい医薬品や医療機器の承認については、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査体制を強化し、今やアメリカ並の短期間の審査期間を実現しています。特に、再生医療の承認については、薬事法の改正等により、世界最速の審査を実現しています。例えば、加齢黄班変性の治療として、iPS細胞から作製した組織を患者の体内に移植する世界初の臨床研究など、最先端分野での具体的な成果が次々と生まれてきています。

(5)さらに、一人一人の遺伝子の形質に応じたゲノム医療を実現するため、30万人規模を目標としているバイオバンクジャパンなどを通じ、ゲノム情報の集積・解析を推進します。

(6)今は輸入超過になっている医療機器についても、国内のものづくりの経験を活かして開発体制を構築し、日本発の医療機器の開発を進めます。
こうした流れを更に加速していくよう、今回の決定を踏まえ、関係各省と連携してオールジャパンでの取組を進め、実用化を加速していきます。

2.TPP閣僚会合が28日(火)からハワイで行われており、甘利大臣が現地で交渉に臨んでいます。「守るべきは守り、攻めるべきは攻める」との方針で、合意に向けて粘り強く交渉します。農業分野においては、野菜や魚などは関税も低く、すでに輸入品と競争している状況にありますが、米、牛肉、酪農製品など厳しい交渉となっていますが、いずれにしても、衆・参農林水産委員会の決議をしっかりと受け止め、農業の基盤が損なわれることのないよう、しっかりと交渉します。一方、日本からの農産品の輸出を促進するために、牛肉や果物など農産物の各国の関税を引き下げるよう、自動車など工業製品とあわせて要求しており、交渉は最終段階にきています。

また、関税の引き下げの交渉だけではなく、コピー商品を作らせないという知的財産の保護や、現地に工場を作った場合に差別的な扱いを受けないという投資の保護、日本企業が入札に参加しやすくなる政府調達のオープン化など、TPP交渉は全体としては日本経済にとって大いにプラスであり、中小企業にとっても国内にいながら輸出がしやすくなるなどメリットがあります。いずれにしても、国益を最大化すべく、合意に向けて粘り強く交渉してまいります。なお、このため、今週末は地元に戻れるかどうかわかりません。夏祭りなど各種行事に伺えなくなることは残念ですが、御理解をいただけますと幸いです。

<ラジオ出演>
8月1日(土)朝6:30~7:00 
ラジオ関西558 ひょうごラジオカレッジ「言いたいことは 言いましょう」


  • 7月21日に開催された第9回健康・医療戦略推進本部において、今後の取組方針を取りまとめた「健康・医療戦略の実行状況と今後の取組方針2015」を決定。
  • 健康医療戦略推進専門調査会で挨拶、発言。健康長寿のためにそして成長戦略の柱として、最先端医療の研究開発、実用化を推進。新薬の承認審査の迅速化、省庁縦割りを排除するため日本医療研究開発機構の設立など。今後はビッグデータも活用し一層加速。
  • 健康・医療戦略参与会合で今後の取組方針を議論。遺伝子情報を扱うバイオインフォマティシャン人材の育成、がん検診受診の向上、4月創設の日本医療研究開発機構(AMED)の戦略的幹部人材の強化、認知症対策の世界のモデルに、など示唆に富む提案。
  • 2013年12月シンガポールにて、TPP関係閣僚会議でフローマンUSTR代表と日米交渉。
  • TPP関係閣僚会合後の共同記者会見。