とっておきの1枚

2011年5月31日
おすすめの読書2011(その⑦)
「俺俺」(星野智幸著:新潮社刊)
何とも変わった小説です。現代社会の病いを描き出し、本年4月には「大江健三郎賞」を受賞した小説。主人公は毎日お昼にマックで同じものを注文する若者。ある時、他の客の忘れた携帯電話を使って、いわゆる「オレオレ詐欺」をやってしまう。しかし、そこからが予想外の展開。世の中の多くの人が共通の病いを持っているのか、そのうち頭がこんがらがってきます。最後までスッキリしませんが、心の奥底まで考えさせられる作品です。