とっておきの1枚

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2009年11月28日

2009年11月28日

冬のお薦め読書(その3)

「庄内パラディーゾ アル・ケッチャーノと美味なる男たち」(一志治夫著:文藝春秋刊)
新しい時代の価値観や生き方のヒントを与えてくれる一冊である。山形県・庄内のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」の奥田シェフは、庄内を中心とした山形県内の農家や漁港を歩いて歩いて食材を確かめながら、それぞれの食材の個性を活かした料理を提供している。その奥田シェフの“舌”“感性”は人並みはずれている。ひとたび食材を口に入れれば、他の食材の組み合わせや料理の仕上がりが頭に浮かぶそうだ。しかも食材を活かすためにソースはあまり使わない。個性を引き出すために厳選された「塩」を重視する。値段は決して安いわけではないが、「スローフード」の考え方にも通じるところがある。農家の皆さんも、自分の作った農作物がこんな料理・味になるのかと感動する。地域の農家にも在るべき姿を提示しているのである。いわば一人の天才シェフによって田舎の農業や漁業がよみがえっているのだ。田舎の活性化を考えている人、地域の特色ある野菜や魚を大事にする農水産業の方々、シェフを目指している若者など、多くの方に読んでもらいたい一冊である。

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