とっておきの1枚

2009年4月4日
春のお薦め読書(その②)

「エネルギー上・下」(日経BP刊、黒木亮著)
この数年、石油価格の急騰、急落など、毎日のようにエネルギー、特に石油に関する様々な報道がなされています。サハリンⅡプロジェクトを巡ってのロシアの思惑、イランやイラクでの石油生産などなど、この本を読めば、こうした報道の背景がよくわかります。もちろん、ノンフィクションですが、安倍晋三元首相やプーチン大統領をはじめ、実在の人物も多数登場します。まるで実話のように話は展開します。それもそのはず、某大手商社で石油ビジネスの最前線にいた著者です。経済小説の担い手としては好きな作家の一人で、「トップ・レフト」、「アジアの隼」、「カラ売り屋」(2007年10月20日参照)など、このホームページでも登場します。なお、私の大学の同級生で別の某大手商社で石油に関わっているD氏もこの本に登場する人物のモデルのようです。石油を巡る世界の動向を知りたい人には最適の一冊。