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中東出張(その③)「オランダ編」
1.3月3日午前1時、バーレーンを発ち、3月4日の衆議院本会議に間に合うように帰途につくが、航空便の関係でオランダのアムステルダム経由となる。

2.3日早朝午前5時半すぎ、アムステルダム着。成田行きまで約9時間あり、経済関係を中心にアポイントを入れているが、まだ薄暗く、車でゆっくりと首都ハーグに向かう。

3.まず、空港近くの花市場をさっと視察。朝7時から見学が許されるため、少し待って見学コースを歩く(写真①)。この花市場は世界最大、私自身は約10年ぶり、2回目の視察であるが、地元の淡路市が日本一のカーネーション生産市であり、思わずカーネーションに目が行く。

4.アムステルダムから首都ハーグに行く途中の町カークで、スイスまで続く運河()や有名な風車()を見ながら進む。この運河が物流のインフラであり、橋も上下に開くようになっている(中には、横に開く橋もある)。風車は、かつて1000くらいあったものが今や100くらいに減り、もっぱら観光用になっている。

5.また、さらに進んで、大学の街ライデンにて、あのシーボルトが、日本からの帰国後、住んでいた家を訪問()。まだ朝8時すぎのために開いておらず、中には入れないが、鎖国していた日本に様々な刺激・知識をもたらしたシーボルトの功績に思いを寄せる。ライデンは、近代的な理工系の学部の入るビルもあるが、全体として運河に沿ってできた大学中心の古い歴史的な街並みだ()。

6.9時頃、首都ハーグに到着。国会前の池()を見ながら、経済省へ。ちなみにこの池は真冬には凍りつき、市民はスケートをするそうだ。
9時15分、経済省でベイインク次官と意見交換()。昨年もプライベートに日本を訪問している親日派で、科学技術やイノベーションの話で盛り上がった。ヤン・ペーター・バルケネンデ首相の訪問とイノベーションセミナー開催について提案があった。オランダはロッテルダム港やスキポール国際空港が有名で、製造業というより物流・ロジスティックスが有名で、法人税も安く持ち株会社の設立も多い。いわば貿易立国・サービス産業立国の国で、「イノベーション」と言われるとやや違和感も感じたが、実は「フィリップス」(電気機器)、「ユニリーバ」(化学品)、「ロイヤル・ダッチ・シェル」(石油・石油化学)など世界的な企業も存在する。

7.そして、アムステルダムに戻り、日本企業の皆さんと意見交換。今年は、朱印船が日本に来て400周年であり、相撲開催など様々な交流事業を実施する予定である。外務省としてしっかり応援したい()。
続いて、名誉総領事のフェルベークさんと意見交換。フェルベークさんは、国際的銀行のABNアムロのアナリストであり、オランダ経済の厳しさについてデータを示された。貿易立国ゆえに、ダメージが大きいとのこと。これまでは、ワークシェアリングやATV制度(日本の雇用調整助成金に似た制度)で失業率は3.5%にとどめていたが、来年には8%前後にまで上昇することを盛んに危惧していた。
世界中、どこの国も苦しい状況であるが、内向きになりすぎることなく、世界が協調してこの危機を乗り切るしかない。