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中東出張(その①)「オマーン・サウジアラビア編」
1.中東に出張した。外務大臣政務官に就任して以来、初めての中東である。1985年に通産省に入省した時に、資源エネルギー庁石油部に配属されて以来、エネルギー問題に一貫して取り組んでおり、大好きな中東への出張に大きく期待しながらも、一方で、海賊対策や広がる経済危機についての意見交換・調整のための出張であり、その責任の大きさを考えれば緊張が走る。

2.最初の訪問国は、私が友好議員連盟の事務局長を務める、オマーンである。関西空港からドバイ経由でオマーン入りするが、ドバイ空港は24時間空港で、大きなショッピングセンターのようである(写真①)。経済危機の影響が大きいとは言え、早朝にもかかわらず、それなりの賑わいであった。

オマーンは、今回で3回目の訪問(2006年7月26日活動報告2006年11月8日活動報告参照)。誰よりもオマーンのことは詳しく、「私に任せてくれ」との自負もある。バドル国防大臣()、バドル外務副大臣、そして旧知のザワウィ国王顧問()とも意見交換を行った。海賊対策の具体的な中身に入るため、その内容をここでは紹介するわけにはいかないが、しっかりと責任を果たせたものと思う。特に、海賊対策として、日本から海上自衛隊を派遣することに対して、大いなる謝意を表明された。各国とよく連携してしっかり責任を果たしたい。それにしても、あっと言う間、わずか6時間ほどの滞在であった。

なお、飛び立つ時に見たオマーンの市街は、大きなビルへの投資もなく、平穏で、伝統を重んじるアラブの穏健国としての印象を改めて強く感じた()。

3.そして、サウジアラビアへ。まずバンダル・アイバン人権委員会委員長と北朝鮮の拉致問題、核開発問題について、そして、ガザの復興・人権侵害の状況等について、意見交換()。国家諮問会議の元外交委員長だけに、世界情勢について詳しく、話は尽きない。

4.続いて、旧知で王族の一族である(即ち「プリンス」の)アブドルアジーズ石油省副大臣()、ファイイルSRMG(サウジ・リサーチ&マーケッティング・グループ)総裁()と意見交換(ちなみに、お二人はご兄弟)。アブドラ国王が「1バレル75ドルが適当」との旨のご発言されたことも踏襲しつつ、石油価格の見通しや中東経済の動向について、突っ込んだ意見交換を行った。①日本では、ドバイをはじめとして、中東の経済が崩壊するかのような報道がなされているが、やや誇張されすぎていること、②それでも、発電所はじめ様々なプロジェクトに対する日本からの支援・投資を歓迎している、との印象を持った。

5.そして、サウジでは、日本との協力の下、人材育成プロジェクトとして設立した「プラスチック加工高等研修所」(HIPF)を訪問。研修を行う設備()や寄宿舎(寮)も訪問()。若い研修者たちとも懇談した()。サウジは石油以外の産業育成を重視しており、日本としてもできる限りの協力をしたいと思う。

6.サウジには、ユニークな高層ビルも立ち並ぶ()が、暑さと「砂嵐」のせいか、道行く人は少ないが、少し中心部を離れると、サッカーをしたりしている()。原油価格下落、経済危機は一般庶民にはあまり関係ないのかもしれない。