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「平和の担い手」をつくる
1.3月20日(金)、午後、広島大学・広島平和構築人材育成センター(HPC)と外務省、NGOピースビルダーズの共催により、公開シンポジウム「平和を担う人を作る」を行った。
国際平和活動の人材育成で定評のある世界の機関、組織の方々をお招きしての開催である。カナダのピアソン平和維持センター、スウェーデンのフォルク・ベルナドッチ・アカデミー(FBA)、国際移行期正義センターなどである。
2.私は、地元から広島に向かい、シンポジウムの後半の様子を聞いていたが、様々な論点について、活発な議論が行われ、人材育成の大切さと難しさを改めて認識した。フロア(会場)からは「フィリピンのミンダナオ和平はどうすれば解決しますか」という難題の質問も提起されたが、もちろん、複雑な事情があり、この場ですぐに答えの出る問題ではないが、多少時間がかかってもこの場にいるすべての人、組織、機関の知恵を結集すれば、解決に向けた道筋が見えてくるかもしれない。
3.会議とレセプションの合間に、会場すぐ横の平和記念公園を何年かぶりに訪問。原爆ドームの回りには広島の建物も増えたから、やはり感慨深い(写真①)。子供とともに平和の鐘をつく()。日本は唯一の被爆国として、世界の平和構築のリーダーとならなければならない。そして、今回のシンポジウムの目的でもある「平和構築のための人材育成」もさらに積極的に行わなければならない。
4.2年前に、日本政府は、広島大学の協力も得て、この「広島平和構築人材育成センター」(HPC)を開設し、国際機関にも人材を輩出し始めたが、日本の得意とする「人道支援」や「復興支援」に加えて、「和平の仲介」においても、広島・長崎を経験した日本だからこそ、また、政治的野心のない日本だからこそ貢献できることがあるはずである。
5.これまでも、日本は、カンボジア和平では実績を上げたし、フィリピンのミンダナオやスリランカにおいても、和平に向けて取り組んでいる。特にスリランカでは明石康・元国連事務次長が特使としてご尽力されている。
6.レセプションで、私からは、「今日のこのネットワークこそが世界の平和構築につながる、その一つのステップにしよう」と申し上げた()。
7.このHPCの研修コースにおいては、日本人と外国人がおよそ半々で、約30名が研修を受けている。1ケ月半の座学を行ったあと、世界各地で半年間の実地研修もある。現に、スーダンでは、卒業生と研修生の3名が活動しており、1人の研修生は昨日「帰国したばかり」と言っていた。
しかし、NGOの方々にとってみれば、いい研修コースではあるが、ただでさえ人材・人員が不足しているのに、半年以上も研修に取られるとNGOの仕事が回っていかない。このため、NGOの方々の要望に応える形で、21年度からは、短期の研修コースや、シニア向けのコースも新設することとしている。
8.日本での「平和構築の人材育成」はまだ緒についたばかりであるが、国際協力機構理事長(元国連難民高等弁務官)の緒方貞子さんや、明石康さんのような立派な先輩もいる。
こうした方々の経験や知識も受け継ぎながら、長い歴史のあるヨーロッパを参考にしつつ、国際機関や組織のネットワークも築きながら、平和国家日本として、得意とする「人道支援」や「復興支援」そして「産業支援」に加えて、「平和の仲介」という分野においても、今後世界に人材を輩出するとともに、国家の意志・政策として、積極的な行動を起こしていきたい。
国際平和活動の人材育成で定評のある世界の機関、組織の方々をお招きしての開催である。カナダのピアソン平和維持センター、スウェーデンのフォルク・ベルナドッチ・アカデミー(FBA)、国際移行期正義センターなどである。
2.私は、地元から広島に向かい、シンポジウムの後半の様子を聞いていたが、様々な論点について、活発な議論が行われ、人材育成の大切さと難しさを改めて認識した。フロア(会場)からは「フィリピンのミンダナオ和平はどうすれば解決しますか」という難題の質問も提起されたが、もちろん、複雑な事情があり、この場ですぐに答えの出る問題ではないが、多少時間がかかってもこの場にいるすべての人、組織、機関の知恵を結集すれば、解決に向けた道筋が見えてくるかもしれない。
3.会議とレセプションの合間に、会場すぐ横の平和記念公園を何年かぶりに訪問。原爆ドームの回りには広島の建物も増えたから、やはり感慨深い(写真①)。子供とともに平和の鐘をつく()。日本は唯一の被爆国として、世界の平和構築のリーダーとならなければならない。そして、今回のシンポジウムの目的でもある「平和構築のための人材育成」もさらに積極的に行わなければならない。
4.2年前に、日本政府は、広島大学の協力も得て、この「広島平和構築人材育成センター」(HPC)を開設し、国際機関にも人材を輩出し始めたが、日本の得意とする「人道支援」や「復興支援」に加えて、「和平の仲介」においても、広島・長崎を経験した日本だからこそ、また、政治的野心のない日本だからこそ貢献できることがあるはずである。
5.これまでも、日本は、カンボジア和平では実績を上げたし、フィリピンのミンダナオやスリランカにおいても、和平に向けて取り組んでいる。特にスリランカでは明石康・元国連事務次長が特使としてご尽力されている。
6.レセプションで、私からは、「今日のこのネットワークこそが世界の平和構築につながる、その一つのステップにしよう」と申し上げた()。
7.このHPCの研修コースにおいては、日本人と外国人がおよそ半々で、約30名が研修を受けている。1ケ月半の座学を行ったあと、世界各地で半年間の実地研修もある。現に、スーダンでは、卒業生と研修生の3名が活動しており、1人の研修生は昨日「帰国したばかり」と言っていた。
しかし、NGOの方々にとってみれば、いい研修コースではあるが、ただでさえ人材・人員が不足しているのに、半年以上も研修に取られるとNGOの仕事が回っていかない。このため、NGOの方々の要望に応える形で、21年度からは、短期の研修コースや、シニア向けのコースも新設することとしている。
8.日本での「平和構築の人材育成」はまだ緒についたばかりであるが、国際協力機構理事長(元国連難民高等弁務官)の緒方貞子さんや、明石康さんのような立派な先輩もいる。
こうした方々の経験や知識も受け継ぎながら、長い歴史のあるヨーロッパを参考にしつつ、国際機関や組織のネットワークも築きながら、平和国家日本として、得意とする「人道支援」や「復興支援」そして「産業支援」に加えて、「平和の仲介」という分野においても、今後世界に人材を輩出するとともに、国家の意志・政策として、積極的な行動を起こしていきたい。