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「世界の中の日本」
1.朝8時から「国土交通部会」。この約1ヶ月間、政府内で議論となってきた空港への外資規制の在り方について、「年内のできるだけ早い時期に結論を得る」とのことで了承された(写真①)。「海外に開かれた投資環境」と、(空港という特別なインフラであることを踏まえ)「安全保障の確保」の双方の観点を両立させることが必要である。その上で、規制の在り方としては、例えば次のような方向性が考えられる。①外為法による投資の規制(事前に一定の審査を行う方式)、②アメリカの「エクソン・フロリオ条項」のように、いつでも行為規制をかけられるやり方、③今回の法改正の原案である「外資の保有規制」、④国内外問わず、一定割合以上の保有を禁ずる「大口規制」などの手法である。それぞれ一長一短あるわけだが、ひるがえって「上場」の意味について考えてみると、現在問題となっているのは、羽田空港の「空港ビルディング会社」であるが、今後、成田空港の上場が予定され、また、将来は関西空港の上場も視野に入れている。「上場」により市場から資金を調達し、借入金の返済や今後の設備投資の資金に充てることが望まれることは言うまでもない。しかし、一方で、「上場」するということは、基本的に「誰でも株式を売買できる」公の会社になるということであり、その自由な売買に規制がかかっては、買い手がつかないことにもなりかねず、「上場」するという意味がなくなる。このような当たり前のことを含めて、時間をかけて改めて議論しなければならないことが残念でならない。政治がリーダーシップをとって、「この国の『かたち』『在り方』」をしっかり示せば、すぐにでも結論が出るように思う。一体、この間のドタバタは世界からどう見られているのだろうか。安全保障に関わる規制の在り方すら時間をかけないと決められないのである。国土交通部会長代理を拝命している自分自身への猛省も込めて、あらためて戦略的で、スピード感のある「政治主導」を実現したい、と痛感する。
2.続いて、「温室効果ガスの排出量取引制度に関する勉強会」。「排出権取引市場」について議論。私は、CO2の「排出削減できない」企業が、「排出削減を実施し、排出権を余らせている」企業から買うことは、市場原理によって全体のCO2削減量を減らすために有効な方策の一つであると考えている。しかし、最初にどうやって公平に各々の企業の「排出枠」を設定するかが大問題である。現在の排出量を前提に枠を設定することとなると、これまでの削減の努力を考慮されず、「正直者がバカを見る」「怠けている人が得をする」極めて不公平な制度となる。公平な制度となるよう慎重な検討が必要であるが、今日は、民間企業の有識者の方々から様々なご意見を伺った。①日本のみならず、地球全体のCO2排出権を減らす仕組みが必要であること、②コスト・パフォーマンスについて考えると、日本である量の削減量を確保するための事業にかかる費用を、海外において行えば、日本での何倍ものCO2の削減が行えることから、いわゆるCDM(クリーン開発メカニズム:海外での削減分を自国の削減分としてカウントできる仕組み)の方が効果的であること、③米国で検討されているグリーン税(Green Tax)、即ち、排出量の大きい製品の関税を高くすることも一案だが、(1)WTO(世界貿易機関)のルール上違反しないか、(2)どこまで効果があるか、などのいくつかの有益な論点が示された。世界全体での削減の枠組みについては、今年7月の北海道洞爺湖サミットの大きなテーマであるし、日本としての6%削減の国際公約の達成も重要な政策課題である。「排出権市場」の導入に抵抗していた経済産業省でも検討が始まった。知恵を結集して制度設計したい。
3.続いて、「文部科学部会」で、科学技術の振興、子ども読書推進、英語教育の在り方など議論。
9時半からは「国家戦略本部・SWF検討プロジェクト・チーム」。東京証券取引所・斎藤惇社長から「日本の金融市場の現状」についてお話を伺い、議論を行う。私より「金融庁の役人の規制的な体質をどう改善すればいいか?もちろん自己資本規制含めて金融システムの安定が重要であることは理解できるが、金融機関に対しあまり『管理的』になりすぎると、新しい商品開発など進まない」と言った意見を述べさせて頂いた。山本有二前金融担当大臣から「金融庁1800人のうち1400人が検査担当。残りも旧大蔵省の人たちを中心に公務員である。民間のことを知らない。私が大臣のときに『任期付』で民間人をたくさん採用した。まだ3割くらいだが、官民交流が大事」とのお話を伺った。
今や、東京市場の時価総額(2007年末)は484兆円で、ニューヨークの1722兆円、中国市場(香港、上海、深センの合計)の約784兆円に大きく遅れをとってしまっている。一方で、アジアの成長は著しく、欧米の国々からは東京市場を通じてアジアの市場と関わりをつくりたい、との期待も大きい。例えば、
① 2000年以降の世界の成長率は3.9%に対し、アジアは5%成長。
② 2000年以降の上場企業の数は、北米地域約9,800社、欧州約7,500社に対し、アジアは18,890社である。
世界は、アジアのこの成長力を取り込みたいのである。東京市場の存在感を出すべくがんばりたい。
4.11時から、超党派の「うたとおはなし伝承普及推進議員連盟」。今回の学習指導要領の改訂の中で、童謡や昔話、古典を教材として増やしていることなどの説明を受ける。私から、持論の「伝承されている遊びの継承」(2008年1月11日ブログ参照)について述べさせて頂いた()。ヤンキー先生こと義家弘介参議院議員からは「①我が家には、最近バラエティ番組に取って替わられた『マンガ日本昔話』のビデオをそろえ、家族で毎日一話ずつ見ている。②なくなったと思われている紙芝居も多くの図書館にはある。若い親たちにもっと知らせるべきである。③最近定数削減との関係で、小学校に音楽の担当の先生がいなくなっている。」などの貴重な指摘もなされた。さすが現場の事情に通じておられる。一度地元の若い保護者の前でも話してほしいと思っている。
5.昼は、国土交通委員会理事懇談会。先週の予算案の衆議院通過を巡って民主党が審議拒否を行っており、委員会の開会について議論が行われる。国土交通委員会の野党の理事の方々は心の中では審議再開を望んでおられるが、現実には、党全体の方針もあり、なかなか審議に応じられないとのことである。結論が出ず、17時半に再開で一旦休憩になる。
その後、来日されているミャンマーの外務省の職員の方々と昼食会が予定されていたが、わずか15分ほどだけ面談し失礼した()。その場で私から国会の都合で短い時間となったことを詫びつつ、「最初に新首都ネ・ピ・ドーに訪問した国会議員として、申し上げたい。日本は大変親ミャンマーである。それだけにスムーズな民主化への移行を望むものである。」旨申し上げた。
13時より「農林水産物貿易調査会スタディー・チーム会議」。同調査会事務局次長として出席。日印EPA(経済連携協定)について議論。私より締結促進を期待する旨発言。
14時党改革実行本部「党勢拡大に関する委員会」。副本部長として出席。世界情勢の変化の中で、自民党が変わらなければならない点を確認。14時半「中央アジア・コーカサス研究所」講演会。この研究所は小池百合子代議士が理事長を務められ、中央アジアとロシア・中国との関係、日本の関わりの在り方などについて議論する。
15時15分頃からスカパーの「J SPORTSワイド」の取材。「eスポーツ」設立準備委員長として「eスポーツ」の意義などを話す()。特に、①ネット社会の進展により世界中の人々とつながることができること、②ライブのプロスポーツとの相乗効果があること、③日中韓で大会など期待されること、などを話す。3月15日(土)12~15時に、青島健太キャスターの進行で放送の予定である。
(スカパー以外では、明石ケーブルテレビのアナログ23,39,47ch及びデジタル730,731,732chで中継を予定。申し訳ございませんが淡路のケーブルテレビでの中継はございません。)
16時宇宙開発特別委員会。世界各国のロケット開発・打ち上げの状況などをヒアリング。
17時半に国土交通委員会理事懇談会再開。民主党退席の中、自民、公明、共産で明日13時からの委員会開会が決まる。
夜は、勉強会兼懇親会が3つに21時半から山本一太さんたちとの「プロジェクトJ」の勉強会。今夜のゲストは小池百合子代議士である。防衛省改革の件で盛り上がりそうだが、寝不足が続いている。何とか11時には帰宅したい。
2.続いて、「温室効果ガスの排出量取引制度に関する勉強会」。「排出権取引市場」について議論。私は、CO2の「排出削減できない」企業が、「排出削減を実施し、排出権を余らせている」企業から買うことは、市場原理によって全体のCO2削減量を減らすために有効な方策の一つであると考えている。しかし、最初にどうやって公平に各々の企業の「排出枠」を設定するかが大問題である。現在の排出量を前提に枠を設定することとなると、これまでの削減の努力を考慮されず、「正直者がバカを見る」「怠けている人が得をする」極めて不公平な制度となる。公平な制度となるよう慎重な検討が必要であるが、今日は、民間企業の有識者の方々から様々なご意見を伺った。①日本のみならず、地球全体のCO2排出権を減らす仕組みが必要であること、②コスト・パフォーマンスについて考えると、日本である量の削減量を確保するための事業にかかる費用を、海外において行えば、日本での何倍ものCO2の削減が行えることから、いわゆるCDM(クリーン開発メカニズム:海外での削減分を自国の削減分としてカウントできる仕組み)の方が効果的であること、③米国で検討されているグリーン税(Green Tax)、即ち、排出量の大きい製品の関税を高くすることも一案だが、(1)WTO(世界貿易機関)のルール上違反しないか、(2)どこまで効果があるか、などのいくつかの有益な論点が示された。世界全体での削減の枠組みについては、今年7月の北海道洞爺湖サミットの大きなテーマであるし、日本としての6%削減の国際公約の達成も重要な政策課題である。「排出権市場」の導入に抵抗していた経済産業省でも検討が始まった。知恵を結集して制度設計したい。
3.続いて、「文部科学部会」で、科学技術の振興、子ども読書推進、英語教育の在り方など議論。
9時半からは「国家戦略本部・SWF検討プロジェクト・チーム」。東京証券取引所・斎藤惇社長から「日本の金融市場の現状」についてお話を伺い、議論を行う。私より「金融庁の役人の規制的な体質をどう改善すればいいか?もちろん自己資本規制含めて金融システムの安定が重要であることは理解できるが、金融機関に対しあまり『管理的』になりすぎると、新しい商品開発など進まない」と言った意見を述べさせて頂いた。山本有二前金融担当大臣から「金融庁1800人のうち1400人が検査担当。残りも旧大蔵省の人たちを中心に公務員である。民間のことを知らない。私が大臣のときに『任期付』で民間人をたくさん採用した。まだ3割くらいだが、官民交流が大事」とのお話を伺った。
今や、東京市場の時価総額(2007年末)は484兆円で、ニューヨークの1722兆円、中国市場(香港、上海、深センの合計)の約784兆円に大きく遅れをとってしまっている。一方で、アジアの成長は著しく、欧米の国々からは東京市場を通じてアジアの市場と関わりをつくりたい、との期待も大きい。例えば、
① 2000年以降の世界の成長率は3.9%に対し、アジアは5%成長。
② 2000年以降の上場企業の数は、北米地域約9,800社、欧州約7,500社に対し、アジアは18,890社である。
世界は、アジアのこの成長力を取り込みたいのである。東京市場の存在感を出すべくがんばりたい。
4.11時から、超党派の「うたとおはなし伝承普及推進議員連盟」。今回の学習指導要領の改訂の中で、童謡や昔話、古典を教材として増やしていることなどの説明を受ける。私から、持論の「伝承されている遊びの継承」(2008年1月11日ブログ参照)について述べさせて頂いた()。ヤンキー先生こと義家弘介参議院議員からは「①我が家には、最近バラエティ番組に取って替わられた『マンガ日本昔話』のビデオをそろえ、家族で毎日一話ずつ見ている。②なくなったと思われている紙芝居も多くの図書館にはある。若い親たちにもっと知らせるべきである。③最近定数削減との関係で、小学校に音楽の担当の先生がいなくなっている。」などの貴重な指摘もなされた。さすが現場の事情に通じておられる。一度地元の若い保護者の前でも話してほしいと思っている。
5.昼は、国土交通委員会理事懇談会。先週の予算案の衆議院通過を巡って民主党が審議拒否を行っており、委員会の開会について議論が行われる。国土交通委員会の野党の理事の方々は心の中では審議再開を望んでおられるが、現実には、党全体の方針もあり、なかなか審議に応じられないとのことである。結論が出ず、17時半に再開で一旦休憩になる。
その後、来日されているミャンマーの外務省の職員の方々と昼食会が予定されていたが、わずか15分ほどだけ面談し失礼した()。その場で私から国会の都合で短い時間となったことを詫びつつ、「最初に新首都ネ・ピ・ドーに訪問した国会議員として、申し上げたい。日本は大変親ミャンマーである。それだけにスムーズな民主化への移行を望むものである。」旨申し上げた。
13時より「農林水産物貿易調査会スタディー・チーム会議」。同調査会事務局次長として出席。日印EPA(経済連携協定)について議論。私より締結促進を期待する旨発言。
14時党改革実行本部「党勢拡大に関する委員会」。副本部長として出席。世界情勢の変化の中で、自民党が変わらなければならない点を確認。14時半「中央アジア・コーカサス研究所」講演会。この研究所は小池百合子代議士が理事長を務められ、中央アジアとロシア・中国との関係、日本の関わりの在り方などについて議論する。
15時15分頃からスカパーの「J SPORTSワイド」の取材。「eスポーツ」設立準備委員長として「eスポーツ」の意義などを話す()。特に、①ネット社会の進展により世界中の人々とつながることができること、②ライブのプロスポーツとの相乗効果があること、③日中韓で大会など期待されること、などを話す。3月15日(土)12~15時に、青島健太キャスターの進行で放送の予定である。
(スカパー以外では、明石ケーブルテレビのアナログ23,39,47ch及びデジタル730,731,732chで中継を予定。申し訳ございませんが淡路のケーブルテレビでの中継はございません。)
16時宇宙開発特別委員会。世界各国のロケット開発・打ち上げの状況などをヒアリング。
17時半に国土交通委員会理事懇談会再開。民主党退席の中、自民、公明、共産で明日13時からの委員会開会が決まる。
夜は、勉強会兼懇親会が3つに21時半から山本一太さんたちとの「プロジェクトJ」の勉強会。今夜のゲストは小池百合子代議士である。防衛省改革の件で盛り上がりそうだが、寝不足が続いている。何とか11時には帰宅したい。