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1.本日(2/4)朝8時からの外交調査会でアフターブ・セット慶應大学教授・前駐日インド大使の話を聞く機会があった。大変興味深い内容であったので感想も含め紹介したい。
1.本日(2/4)朝8時からの外交調査会でアフターブ・セット慶應大学教授・前駐日インド大使の話を聞く機会があった。大変興味深い内容であったので感想も含め紹介したい。
2.(1)まず日本との関係について、関係が相対的に小さくなっていることを親日家としての大いなる危惧を表明された。例えば、インドとの貿易額について、中国は10年前と比べ、2億ドル(200億円)→80億ドル(8000億円)と激増しているし、韓国とは既に100億ドルに達しているのに対し、日本とは未だ40億ドルと停滞している。このことに関連して、私より「ITの取引額も日印間は、米印間、韓印間に比べて小さすぎるが何故か」との質問を投げかけたところ、「①やはり語学の障壁がある。日本人に英語力がなさすぎる。②それに、日本の企業人はおとなしい。裕福になりすぎたのではないか。韓国の企業人は極めてアグレッシブである。しかし、ITに関しては日印間での取引は増しつつある。」旨の御指摘を頂いた。
(2)その語学について、前大使はなんと英語、ヒンズー語、フランス語、ドイツ語、ベトナム語など多くの言語に堪能であり、その理由・秘訣について「インドの紙幣の裏には17もの民族の言語で表記がなされているように、 インドはそもそも多民族、多言語社会であり、言語を学ぶことに抵抗がない。そして、3才のときから英語を習い始める」と指摘された。日本にとっては示唆に富むお話であった。
(3)インド人の才能はもちろん語学だけではない。「ゼロ」の発明は有名であるが、最近では「Simputer」(シンピューター)なるものを開発したという。これはインド国立大学とインド科学院が共同開発したもので、「Simple」(簡単な)「Computer」(コンピューター)を合わせた造語で、要は誰でも使えるコンピューターで200ドル(=2万円)程度で発売するとの由。その才能は底知れないものがある。
(4)また、隣国パキスタンとの長年の紛争について、「パキスタンは完全に 民主化されておらず、このことが与えている影響は大きい。確かにパキスタンでは、軍事政権と選挙で選ばれた政権が代わるがわる政権についているが、民主化政権であっても軍部が背後にいる。例えば、韓国は民主化されて、日本との関係も良くなった。」と、かねがね私も指摘してきた点を話された。日本にとっては中国との関係を考える際に大変参考になる話である。
3.インドとの関係は、対中国戦略においても、また、IT産業の将来を考えても、そして(最近天然ガス田の開発も話題となっている)。インド洋の戦略的、地勢学的重要性を考えても、極めて重要である。しかし、1998年のインドの核実験以来、しばらくの間、経済協力(ODA)の停止を含め日印関係は冷たいものであったが、2000年の森首相(当時)の訪印以来、再び日印関係は改善されてきている。米印関係、中印関係も改善され、インド外交が変わり始めた今こそ、日本としてもインドとの関係強化に力を入れるべきときである。幸い私の地元兵庫県には神戸市を中心に多くのインド人が活躍している。神戸JCの昨年の理事長は、インド人キラン氏である。友情を深めつつ、インド社会に対する理解を深め、日印関係が発展するよう頑張りたい。
2.(1)まず日本との関係について、関係が相対的に小さくなっていることを親日家としての大いなる危惧を表明された。例えば、インドとの貿易額について、中国は10年前と比べ、2億ドル(200億円)→80億ドル(8000億円)と激増しているし、韓国とは既に100億ドルに達しているのに対し、日本とは未だ40億ドルと停滞している。このことに関連して、私より「ITの取引額も日印間は、米印間、韓印間に比べて小さすぎるが何故か」との質問を投げかけたところ、「①やはり語学の障壁がある。日本人に英語力がなさすぎる。②それに、日本の企業人はおとなしい。裕福になりすぎたのではないか。韓国の企業人は極めてアグレッシブである。しかし、ITに関しては日印間での取引は増しつつある。」旨の御指摘を頂いた。
(2)その語学について、前大使はなんと英語、ヒンズー語、フランス語、ドイツ語、ベトナム語など多くの言語に堪能であり、その理由・秘訣について「インドの紙幣の裏には17もの民族の言語で表記がなされているように、 インドはそもそも多民族、多言語社会であり、言語を学ぶことに抵抗がない。そして、3才のときから英語を習い始める」と指摘された。日本にとっては示唆に富むお話であった。
(3)インド人の才能はもちろん語学だけではない。「ゼロ」の発明は有名であるが、最近では「Simputer」(シンピューター)なるものを開発したという。これはインド国立大学とインド科学院が共同開発したもので、「Simple」(簡単な)「Computer」(コンピューター)を合わせた造語で、要は誰でも使えるコンピューターで200ドル(=2万円)程度で発売するとの由。その才能は底知れないものがある。
(4)また、隣国パキスタンとの長年の紛争について、「パキスタンは完全に 民主化されておらず、このことが与えている影響は大きい。確かにパキスタンでは、軍事政権と選挙で選ばれた政権が代わるがわる政権についているが、民主化政権であっても軍部が背後にいる。例えば、韓国は民主化されて、日本との関係も良くなった。」と、かねがね私も指摘してきた点を話された。日本にとっては中国との関係を考える際に大変参考になる話である。
3.インドとの関係は、対中国戦略においても、また、IT産業の将来を考えても、そして(最近天然ガス田の開発も話題となっている)。インド洋の戦略的、地勢学的重要性を考えても、極めて重要である。しかし、1998年のインドの核実験以来、しばらくの間、経済協力(ODA)の停止を含め日印関係は冷たいものであったが、2000年の森首相(当時)の訪印以来、再び日印関係は改善されてきている。米印関係、中印関係も改善され、インド外交が変わり始めた今こそ、日本としてもインドとの関係強化に力を入れるべきときである。幸い私の地元兵庫県には神戸市を中心に多くのインド人が活躍している。神戸JCの昨年の理事長は、インド人キラン氏である。友情を深めつつ、インド社会に対する理解を深め、日印関係が発展するよう頑張りたい。