活動報告

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2009.03.02

南米諸国・米国・英国出張(その④)「英国・ロンドン編」

1.英国・ロンドンは、アフリカ出張の時など、トランジット(中継)で何度か立ち寄っているが、空港から外へ出るのは十数年ぶりである。
世界一長い「長屋」と言われる集合住宅は健在であるし、国会議事堂(テムズ河の左側)とシンボルの観覧車(同右側)があり、大変美しい街並みである(写真①、写真②は国会議事堂)。
首相官邸はダウリング街にさりげなく位置し(写真③)、金融街である、いわゆる「シティ」は新旧のビルが立ち並ぶ(写真④)。

2.しかし、英国経済の約3割を占める金融・不動産等が壊滅的ダメージを受け、街の至る所に「Let」(貸し部屋)の看板を見かける(写真⑤)。中央銀行のジェンキンソン・イングランド銀行総裁アドバイザーとは、英国経済の動向、金融政策について、かなり突っ込んだ議論を行った(写真⑥、写真⑦は中央銀行)。
思い切った金融緩和策により、同氏は、年後半の回復を期待していたが、現在200万人の失業者は300万人に達する、との見方も示された。ポンド安にもかかわらず、輸出できる製造業が少なく、製薬メーカーぐらいしか競争力がない、とも一般に言われている(写真⑧はグラクソ・スミスクライン本社)。

3.欧州排出権市場も訪問。CO2(二酸化炭素)排出権の取引について意見交換を行った(写真⑨)。昨年前半には、1t当たり32ユーロもの高値をつけたが、丁度訪問したその日(2月12日)が、史上最安値で7.5~8ユーロ(900~1,000円/t)の価格であった。景気の急速な悪化でCO2排出量も減り、価格が急落している。あまりに安くなると、排出権市場から調達すればいいと考え、技術開発や新エネルギーを導入してCO2排出量を減らそうという意欲(インセンティブ)がそがれる。CCS(CO2の回収・分離・貯蔵)の技術も8,000~10,000円/t)くらいの取引価格にならないと導入が進まない、と言われている。いろいろと考えさせられた。
いずれにしても、わずか数人で、取引ボードとコンピュータだけが置いてある。予想した以上に静かな(寂しい?)取引所であった。

4.また、IMO(国際海事機関)のミトロポロス事務局長とソマリア沖の海賊対策について意見交換(写真⑩)。ギリシャ出身の事務局長からは、日本の海上自衛隊派遣への高い期待が示された。
周辺国の人材育成、巡視船などの供与と合わせて、しっかりと国際社会の期待に応えたいと思う。

5.帰国直前の時間を利用して、英国の若者対策の目玉でもある「コネクションズ」(相談窓口)を視察。ロンドンに32ヶ所ある「コネクションズ」の一つは、街中のショッピングセンターの2階の図書室の一角にあり(写真⑪)、2人の女性がカウンセリングを行っていた(写真⑫)。一日平均約30人位が訪問し、就職や職業訓練の相談を受けるとのことである。就職成功率は7%弱だそうだが、キメ細かなカウンセリングは、日本も学ぶべき所がある。

金融政策、海賊対策、排出権取引、コネクションズと、わずか一日の滞在であったが、大変充実したロンドン訪問であった。

写真①
写真②
写真③
写真④

写真⑤
写真⑥
写真⑦
写真⑧

写真⑨
写真⑩
写真⑪
写真⑫
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